川井書生の見聞録

映画評論、旅行記、週刊「人生の記録」を中心に書いています。

坂元裕二のセリフのディテール 映画『花束みたいな恋をした』感想・考察

 世界規模のコロナ禍が続く2021年。エヴァの最終作が延期される中、緊急事態宣言下に封切りされた映画がある。それは僕がとても楽しみにしていた映画で、僕の好きな脚本家と監督が携わっている映画である。その映画の名前は『花束みたいな恋をした』。僕は本作の脚本を書いた坂元裕二が特に好きで、彼の脚本の特徴について考察していきたいと思う。

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会社を辞め英語留学をする予定の25歳④ー英検3級受験編ー(2021年1月)

 これは神奈川県に住む25歳男性の人生の記録「語学留学編」。4年生大学卒業後、広告の映像会社に勤めていたが、英語留学のために退職を決意。だが、仕事から解放された僕を待っていたのは前途洋々な留学生活ではなく、コロナ禍の世界であった。

 2020年末からの緊急事態宣言は続く中、大学入試共通テストが行われた。その裏で僕の英検3級試験が行われていた。

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二人の視線は重なりすれ違い・・・ 映画『燃ゆる女の肖像』感想・考察

 2019年のカンヌ国際映画祭で脚本賞とクィア・パルム賞を受賞した本作は、主要人物である2人の女性の関係を、視線で表現した映画であると思う。視線による見る/見られるの関係は職業上のものから始まり、より親密な関係になり、最終的に終わった関係となる。この映画における視線を、大学時代に2000本近くの映画を見た執筆者が考察してみる。

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ボクちゃん視点のコンゲーム! アニメ『GREAT PRETENDER』感想・考察

 2020年の大ヒットした古沢良太脚本の『コンフィデンスマンJP プリンセス編』。このシリーズはコンフィデンスマンと呼ばれる信用詐欺師の世界を扱っていますが、このシリーズ以前に古沢良太がコンフィデンスマンものを書いていたのをご存知ですか?この『GREAT PRETENDER』は、古沢良太が最初に書き上げたコンフィデンスマンものであり、「コンフィデンスマンJP」を彷彿する箇所が沢山ありました。

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上り下りする家族 映画『パラサイト 半地下の家族』感想・考察

  2019年のカンヌ国際映画祭パルム・ドール、2020年のアカデミー作品賞を受賞し、まさに映画史上の最高傑作のひとつとなったポン・ジュノ監督の『パラサイト』。大学時代に映画を2000本近く見た僕が、見てて思った監督の演出論を語っていきたいと思います。

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2020年に行ってよかった観光地ベスト10!

 2020年のCOVID-19の流行は、観光業界にとって損害を与えました。そこで日本政府は観光業界を救うためにGoToトラベルキャンペーンを開始しました。僕はこのキャンペーンを大いに利用し、旅行記執筆の肥やしにさせていただきました。そして、今回の記事は僕が2020年行った観光地の中で、良かった場所をベスト10形式でご紹介させていただきます(※GoToトラベルの商品は僕にとって「#買って良かった2020」でした)。

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Go To 伊勢志摩!② 伊勢神宮へお参り(書生の旅行記17)

 未曾有のパンデミックが起こった2020年最後の月。僕は父親が新しく購入した中古のボルボ(ややこしい)に乗って、三重県の伊勢志摩へ行った。2016年にサミットを開催したこの地は、世界の要人を招くにふさわしい景勝地。僕は志摩の自然と伊勢の歴史を2日間にわたり堪能した。これは2日目のの伊勢旅行の旅行記である(※GoToトラベルの商品は僕にとって「#買って良かった2020」でした)。

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Go To 伊勢志摩!① 志摩の海を堪能する(書生の旅行記16)

 未曾有のパンデミックが起こった2020年最後の月。僕は父親が新しく購入した中古のボルボ(ややこしい)に乗って、三重県の伊勢志摩へ行った。2016年にサミットを開催したこの地は、世界の要人を招くにふさわしい景勝地。僕は志摩の自然と伊勢の歴史を2日間にわたり堪能した。これは初日の志摩旅行の旅行記である(※GoToトラベルの商品は僕にとって「#買って良かった2020」でした)。

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会社を辞め英語留学をする予定の25歳③ーTOEIC初受験編ー(2020年12月)

 始めは言葉を覚えたての赤ん坊のように、辿々しく英語を話していた僕だったが、オンライン留学も2ヶ月経つと、ある程度は話せるようになってきた。先生の言っていることもほぼほぼ聞き返さずに理解できるようになってきた。また、今月はTOEICを受験したので、その感想と結果もお伝えしたい。

 僕と同じように英語を勉強している方、これから勉強しようと思われている方、共に頑張りましょう!

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ハリウッド黄金時代への鎮魂歌 ドラマ『ハリウッド』

 今週のお題「もう一度見たいドラマ」。と言うことで、2020年の自粛期間中に見たNetflix製のオリジナルドラマ『ハリウッド』について言及したいと思う。

 このドラマは第二次世界大戦後のハリウッドを舞台にしている。当時のハリウッドは黄金期であり、ジョン・フォードやアルフレッド・ヒッチコックら偉大なる監督が夢を生産し、ジョン・ウェイン、イングリッド・バーグマンなど錚々たるスターが銀幕を飾っていた時代である。その一方で、同性愛者や黒人は虐げられ、女性もまた力を持っていなかった。この映画で描かれている登場人物の多くは、常に白人男性の影に隠れた存在であったにも関わらず、自らの信念や夢のために戦ったのだ。

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ドイツ文化の子孫 映画『ばるぼら』考察・感想

 今週のお題「自分にご褒美」。と言うことで、ここ2ヶ月英語の勉強を頑張っている僕は、己のご褒美に映画『ばるぼら』を観に行った。このブログでその感想を綴ろうと思う。

 この映画は手塚治虫の漫画を原作にしており、その息子が監督をしている。そして何と言っても、『恋する惑星』などで知られるウォン・カーウェイ監督とコンビを組んでいた、クリストファー・ドイルが撮影監督を担当しているのだ。 

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会社を辞め英語留学をする予定の25歳②ーオンライン留学編ー(2020年11月)

 会社を辞め1ヶ月が経過した。11月からオンライン留学が始まり、外国人と英語で話す機会ができ、まずます英語に触れる機会が多くなった。しかし、中々自分の言いたいことを英語で伝えられない。その為、最初のクラス分けではかなり下のクラスに振り分けられてしまった。

 僕と同じように英語を勉強している方、これから勉強しようと思われている方、共に頑張りましょう!

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古き良き小江戸。埼玉県の川越で江戸明治の町並みを味わう(書生の旅行記15)

 10月1日より地域クーポンが配布されることとなり、一層活気付き始める観光業。テレビやCMなど、メディアではGoToトラベル特集が行われ、人々の旅行意欲を刺激する。僕も刺激された一人で、11月の半ばに「小江戸」と呼ばれる埼玉県の川越へと行くことにした。

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映画『コンフィデンスマンJP プリンセス編』における良心

 今週のお題「最近見た映画」。と言うことで、大学生4年間で2000本近くの映画を見た僕が、最近見た『コンフィデンスマンJP プリンセス編』を脚本の観点から考察してみる。

 なぜ、脚本の観点から考察するかというと、この映画は脚本家・古沢良太のエッセンスがよく見られるからである。特に「良心」というテーマがよく表れている。

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ノーラン風「007」 映画『TENET/テネット』を解剖してみる

 今週のお題「最近見た映画」。と言うことで、大学生4年間で2000本近くの映画を見た僕が、クリストファー・ノーラン監督の『TENET』を見た感想と考察を書いてみる。

 『鬼滅の刃』のヒットは様々な先行作品から影響を受けているからと言われているが、それはクリストファー・ノーランの『TENET』にも当てはまる。物語のジャンルや構成は既存の作品からの影響を多分に受けている。だがそれに加えて、この映画はノーランのエッセンスをも含んでいるからこそ、オリジナリティに溢れているのである。今回はこの映画を3つの点から考察してみようと思う。

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