26歳になった神奈川県在住の男性の人生記録「2度目の就活編」。第8回は北海道の地方紙である北海道新聞社の体験談。前回、河北新報社の面接に心を折られ、新聞業界の就活活動を断念した僕。今回は辞退したものの筆記試験を通過した北海道新聞社の体験談と新聞業界就活のまとめ(できるほど選考を進められなかったが)。※人生の記録は週刊になります。毎週日曜日の19:30に投稿します。
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⑴ 北海道新聞社の筆記試験
北海道新聞社に書類提出後、適性検査の案内が届いた。地方紙の採用試験において、書類選考で落ちることはほとんどないので、ここからが本番と言ってもいい。幸い、僕は適性検査も通過した。次は作文・要約・意見記述の筆記試験だった。
作文のお題は確か「視線」(1000文字以内)だった記憶がある。以下に僕の作文を掲載する。題は「熱視線」。
映像に記録された電力会社の社員の視線を、私は今でも鮮明に覚えている。
社会人二年目の冬、私は電力会社の会社紹介映像の制作に携わることになった。私の職種は制作進行というもので、この時もスタッフやクライアントとの渉外、プロデューサーやディレクターの補佐などを担当した。
私たちは電力会社の担当者である〇〇さんに、三つの企画案を提出した。〇〇さんは採用担当でありながら、風力発電事業の担当も兼任している、眼鏡の似合う四〇代の男性だ。
採用された企画は、私たち映像のプロが風力発電所の建設プロジェクトを記録しつつ、電力会社の社員自らがスマートフォンで日々の仕事を記録撮影するというものだった。それをディレクターが編集して会社紹介映像にするのである。
私たちは建設途中の風力発電所がある〇〇市へ飛んだ。日本海から吹きつける強風は冷たく、カメラマンの横でレンズを持っている私の手は震えていた。
巨大なクレーンが風車のブレードをゆっくりと持ち上げていく。この工程は、風車の組み立て作業の中で、最も現場が緊迫する作業の一つだ。
カメラマンは緊張した現場を捉えていた。誰もが皆一様に、宙吊りになったブレードに視線を注いでいた。注目を浴びているブレードは、時折風に煽られてはブランコのように揺れた。その度に現場で大声が飛び交った。
〇〇さんも他の人々と同じように、真剣な眼差しをブレードに注いでいた。しかしその反面、笑顔を見せることもあった。
ブレードの設置が終了し、私たちは〇〇さんにインタビューをした。
「〇〇さんが仕事において大切にしていることは?」
ディレクターが〇〇さんに尋ねた。
「仕事を楽しむことですね」
その瞬間、私は〇〇さんの笑顔を思い出した。彼はあの状況さえ楽しんでいたのだ。
私もこの時から撮影現場で笑顔を努めるようになった。すると、上司から怒られることも減り、任される仕事が増えた。
後日、〇〇さんから自撮りの映像が送られてきた。そこにはブレードが回転している風車の映像と、カメラ目線で電力会社の仕事を語る〇〇さんの映像があった。
眼鏡の奥で光る〇〇さんの瞳は、相変わらず真剣で楽しそうだった。
1000字と採用活動の筆記試験にしては長めの作文だったので、個人的には書きやすかった。
要約は北海道新聞社の記事を要約するという課題で、意見記述はその記事に関する自分の意見を述べるという課題だった。僕が受けた時との課題記事は北海道の3つの大学が経営統合するというものだった。
元々の記事でトピックの概要と、経営統合するメリット(利点)とデメリット(課題点)について書かれていたので、僕は概要・メリット・デメリットをそれぞれまとめた。意見記述に関しては、自らの大学生活での経験を交えてメリットとデメリットそれぞれに付言した。
3種類の筆記試験を終え後日通過の連絡を受けたが、先週述べたように、河北新報社の面接で新聞業界での就活は諦めたので、選考を辞退した。
⑵ 新聞業界の就職活動まとめ
なんだかんだ新聞社は結構な数を受けた。そのうち幾つかが最終面接の1つ手前の段階で落ちていた。以下は僕が受けた新聞業界とその結果である(ES提出順)。
1)共同通信社:書類落ち
2)山梨日日新聞社:グループディスカッション落ち(最終面接の手前)
3)北海道新聞社:1次面接辞退(最終面接の手前)
4)中日新聞社:1次面接落ち(最終面接の手前)
5)河北新報社: 1次面接落ち(最終面接の手前)
6)上毛新聞社:1次面接辞退
7)秋田魁日報社:1次面接落ち
8)西日本新聞社:筆記試験落ち
9)東奥日報社:書類落ち
10)福島民友新聞社:1次面接辞退
対して面接を経験していないが、新聞業界は昭和風、換言すれば硬派な雰囲気の会社が多い印象だった。男社会・体育会系とも言えるかもしれない。唯一そうではないと感じたのは中日新聞社だった。ユーモアを交えながら面接してくれたし、服装に関してもクールビズ可と大らかだった。
今後、新聞業界を受ける方の参考になれば幸いだ。
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ESや面接において参考にした書籍
北は北海道から南は沖縄まで、地方紙から厳選した名連載を掲載。面接官と記事の話をする際に役立ったし、地方紙の志望度もあがる分厚い本。内容はもちろん面白かった。