川井書生の見聞録

映画評論、旅行記、週刊「人生の記録」を中心に書いています。

人生2度目の就職・転職活動13ーNHK編ー(2021年7月25日号)

 26歳になった神奈川県在住の男性の人生記録「2度目の就活編」。第13回はNHKの体験談と新卒採用活動終了編です。※人生の記録は週刊になります。毎週日曜日の19:30に投稿予定です。

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⑴ 現役大学生の時に第1志望だったNHK

 2010年に『龍馬伝』を見た時以来、NHKの大河ドラマが好きだった。特に渡辺謙が伊達政宗を演じた『独眼竜政宗』が好きだった。新進気鋭の伊達政宗(渡辺謙)と天下人の豊臣秀吉(勝新太郎)が小田原で初対面するシーンの演技をはじめ、徳川家康(津川雅彦)、淀殿(樋口可南子)、最上義光(原田芳雄)などの名演が光るドラマだった。

 加えて、僕は司馬遼太郎・吉川英治・山岡荘八などの時代小説が好きだった。だから、日本史を映像化したいと思うのは必然だったと思う。NHKは毎年時代劇を制作する局だったので、僕の第1志望だった。

 ESは無事通過し適性検査もクリア。1次面接では学生時代の経験や志望動機を話した。奇跡的に面接を通過し、次は筆記試験と2次面接だった。2次面接は面接が2回あり、それぞれ1対1の個人面接だった。面接官と『未来少年コナン』や当時放送していた『おんな城主直虎』の話をした記憶がある。1回目の面接官は「面白い!」と僕の話を評価してくれたが、2回目の面接官はイマイチな感触だった。いずれにしても、応募者の話をよく聞いてくれる優しい面接だった。

 最もイマイチだったのは筆記試験だった。時事問題もかなり難しく、ちゃんと勉強していなかった僕は全然回答できなかった。論文問題も作文を書けばいいのか、小論文を書けばいいのか分からない始末。惨敗だった。

⑵ まさかの結末

 前の会社を退職した時、もう1度NHKを受けてみようと思った。今ならあの時と違って映像制作会社で働いていた経験がある。さらにオンライン留学で身につけたある程度の英語力もあった。

 上手くいかなかった時事問題はニュース検定の参考書をやり込むことでカバーした。作文対策はマスコミ就職塾でカバーするつもりだった。

 しかし、マスコミ塾で作文を書いても先生からは酷評の嵐だった。特に言われたのは「最初に説明しないこと」だった。僕は趣味で映画の脚本スクールに通っている。そこで習うのは、「最初に説明しすぎないこと」なのだ。最初に全部説明してしまうと物語に謎が残らなくなり、観客が飽きてしまうのだ。一方で、マスコミ塾の先生からは「最初に説明をするべき」と言われた。最初の説明をしないと君が誰で、いつどこの話なのか分からないと言われた。

 この時、記者と作家の根本的な違いを感じた。僕は就職の作文においては最初の説明を重視するようにしたが、いつもと逆のことをやるのは中々上手くいかなかった。

 少しずつ上達した頃、僕はNHKのESを提出した。そしてNHKの就職試験に向けて、SPIと時事問題の対策により一層力を入れた。

 しかし、現役の時分は2次面接まで行ったのに、今回はESで落ちてしまった。

 原因は不明だが、前回落ちてしまったことをESに書いたことが敗因だと思っている。手応えのあった文藝春秋の面接でも、前回落ちてしまったことを話していた(聞かれたのだから正直に答える他はない)。

⑶ マスコミ就職塾で

  マスコミ就職塾で作文の添削を受ける度に、自分はまだまだだと凹んだ。僕がマスコミ塾を後にする度に、塾長は僕のモチベーションを上げてくれた。「作文の練習を積めばどこかしら受かるようになるから」と。これは僕のモチベーションに気を遣ってくれていると嬉しく思う反面、NHKなど志望している会社には受からないと心の中で思っているのも感じていた。

 そのうち、「君は何者かにはなるだろう」と塾長に言われた。それは褒め言葉でもあるが、転職は上手くいかないという意味にも受け取れた。

 僕は僕に期待をしてくれていないマスコミ就職塾を辞めることにした。それは僕の2回目の就職活動が終わりを告げることを意味していた。

 僕は塾長の言う通り「何者かにはなって見せよう」と思っている。それは学者であるかもしれないし、映画制作者であるかもしれないし、作家であるかもしれない。

 しかし、まずは中途採用向けの転職活動をしよう。

 

 続きは8/1(日)の19:30に投稿します。

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