川井書生の見聞録

映画評論、旅行記、週刊「人生の記録」を中心に書いています。

会社を辞め英語留学をする予定の25歳④ー英検3級受験編ー(2021年1月)

 これは神奈川県に住む25歳男性の人生の記録「語学留学編」。4年生大学卒業後、広告の映像会社に勤めていたが、英語留学のために退職を決意。だが、仕事から解放された僕を待っていたのは前途洋々な留学生活ではなく、コロナ禍の世界であった。

 2020年末からの緊急事態宣言は続く中、大学入試共通テストが行われた。その裏で僕の英検3級試験が行われていた。

⑴ 英検3級受験への道

準備編

 英検自体初めて受けるので、僕はまず最初に模擬試験を解いてみた。筆記とリスニングは満点。英作文と面接はどう書けばいいのか分からなかった。だが、型を覚えることにより英作文と面接の対策を立てられるようになった。

 英検CBTという会場のPCで受ける試験なら、基本的にいつでも受験できるので、僕はその方式で受けることにした。スピーキング→リスニング→筆記→英作文の順番で解いていく。スピーキング以外は通常の英検と大差ないが、スピーキングはマイクに向かって話すため、回答の制限時間がシビアに設定されており、質問に対する回答を考える時間があまりなかった。スピーキングを最も苦手とする僕にとって、これは1番の壁であった為、直前までスピーキング対策をした。他の分野の問題に関しては、まあ中学卒業レベルの英語力が対象となる3級だし、問題なさそうだった。

参考書

 英検についての知識が0%であった僕は、まず最初に単語帳と教本を買った。

【音声アプリ対応】英検3級 でる順パス単 (旺文社英検書)

【音声アプリ対応】英検3級 でる順パス単 (旺文社英検書)

  • 発売日: 2012/03/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

  このレベルだと、流石に知っている単語ばかりだったが、単語の他に熟語や会話表現も覚えられたのは良かった。この会話表現は普段の英会話の授業においても活躍した。

【CD付】英検3級総合対策教本 改訂増補版 (旺文社英検書)
 

  この教本の巻末にある模擬試験で自分の実力と試験の傾向を把握したのち、この参考書を巻頭から取り組んだ。解説が中心なので問題数こそ少ないが、文法の解説から会話表現・長文読解・リスニングの回答のコツ、英作文や面接の対策まで、一通り抑えることができた。

  教本で足りなかった実践演習をこちらの問題集で補った。ここまで問題を解いてみて、はっきり言って筆記とリスニングは完璧に近いが、英作文と面接がややネックだった。なので、

英検分野別ターゲット英検3級ライティング問題 (旺文社英検書)

英検分野別ターゲット英検3級ライティング問題 (旺文社英検書)

  • 発売日: 2020/04/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

  こちらの問題集に受験日直前の1週間を費やした。英作文の問題に対して、どのように答えればいいのか?どのように文章を組み立てればいいのか?という基礎的な箇所を反復して学べたので、この問題集を終える頃には英作文の形式に慣れていた。

 面接対策はネイティブキャンプという英会話アプリでできるとのことだったので、僕も加入してみた(どこかのタイミングでネイティブキャンプ自体の感想も書きたい)。英検3級の面接対策は予約制で、基本は日本人講師かフィリピン講師が対応している。初めての英検受験ということもあり、僕は日本語の話せる先生たちを選んだ。しかもネイティブキャンプでは検索条件を絞れるので、僕は同い年くらいの女性の先生たちを選んだ(折角なので)。

 瞬発的に英語で答えるというのが最後まで慣れなかったが、どの日本人講師からも「問題ないでしょう合格できます」という評価だった。25分の授業のうち、ほぼ全ての授業で時間が余ったので、その自由時間は講師とフリートークをしていた。大体が日本に住んでいる女子大生や専業の講師だったが、中にはバンクーバー在住の日本人女性もいた。バンクーバーも人がガラガラらしい。

 なんだかんだみっちりと英検3級の勉強をした僕であった。しかも対策の画竜点睛として英検CBT形式の下記模擬試験集を購入した。

英検CBT/英検S-CBT専用 英検3級予想問題ドリル (旺文社英検書)

英検CBT/英検S-CBT専用 英検3級予想問題ドリル (旺文社英検書)

  • 発売日: 2020/09/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

    やはりほぼ100%の正解率だったので問題はなさそうだ。

 そしてついに受験日当日を迎える。

受験当日編

 JR横浜駅で下車し、高層建築に囲まれ肩身が狭そうに建っている細い雑居ビルに入った。ちょうど受付時間だったので、小さいエレベーターには受験生がぎっしり。しかしどの受験生も僕より背が低く顔が幼い。やはり英検3級の受験生は中学生がメイン層のようだった。僕はその時、受ける級を間違えたと確信した。

 受付を済まし、筆記用具と受験票以外の荷物をロッカーにしまうと、係員にブースに案内された。ブースにはパソコン付きの自習室のような、簡易的に仕切られた個室が8つほどあった。僕はその隅の個室に誘導された。

 僕の周囲には中学生くらいの子供たちが座っていた。しかし僕の隣に座っている子供は見るからに小学生だった。この少年の体躯は中学生たちの2/3ほどしかなく、椅子に座っても足が床につかないみたいで、常に足をぶらぶらしている。しかも待ち時間に退屈なのか、椅子でぐるぐる回って遊んでいた。

 CBT形式のテストはスピーキングから行われる。テストが始まると同時にブースの生徒たちが一斉に喋り始めたのだが、どれも言い澱みが激しかったり、カタカナのような英語だったりと3級にふさわしいスピーキングが聞こえてきた。僕も練習の時ほどスムーズに発話できなかった。しかしながら、僕の隣から唯一、流暢な英語が聞こえてきた。この少年の英語はまるで帰国子女のような発音だった。

 隣が天才少年だった驚きに動揺せず、僕はリスニング、リーディング、ライティングの問題を解き進めた。TOEIC685の人間からすると問題は簡単だったため、一番最初に試験を解き終わり、ブースから退出できた。結果は大体1ヶ月後までには届くそうだ。

⑵ オンライン留学の進捗

 授業はフィリピン人の女性講師とワンツーマンで行われている。教科書に話の内容が移る前に、講師は「先週末はどうだった?」「この後何をする予定なの?」といったフリートークを混ぜてくる。僕はこの1ヶ月で見た映画や読んだ本、初詣の話をしていた。

 授業は未来時制や助動詞など基礎レベルの文法を覚えながら、4技能を向上させていくカリキュラムで、英国が発行している教科書を使用していた。教科書は、ビートルズやボブ・マーリー の曲をリスニング教材に使用したり(全くもって上手に聞き取れない)、アマゾンのジャングルを生き残った少女の話、ニューヨーカーの大晦日の過ごし方などを題材にしていた。

 先生はこのトピックについて「あなたはどう思いますか?」などyes/noでは答えられない質問をしてくるので、英語で答える力がしっかりと養われていると思う。

⑶ 2021年1月に使用した新テキスト

リーディング

  引き続き速読力強化のために購入。TOEIC500~と書かれているのでスラスラと読める。収録されている文章も多様で、メールや求人広告といったTOEICの文章に近いもの、ベルリンの壁やシャーロック・ホームズ、シェイクスピアに関する記事、ワールドカップと犬の物語などが収められている。

ガンジー・ストーリー The Gandhi Story (ラダーシリーズ Level 1)

ガンジー・ストーリー The Gandhi Story (ラダーシリーズ Level 1)

 

  今月のラダーシリーズ は「ガンジー・ストーリー」。これはガンジーの幼少期から、イギリス留学時代、南アフリカ時代、インド独立運動時代、死後の影響までを包括的に扱った本である。この本の中で度々強調されるのは、ガンジーが「非暴力」を貫き通したことである。たとえ相手が銃を使用したりしてきたとしてもだ。普通の人間だったらやり返すのが当たり前だが、彼はそうしなかった。だからこそ、ガンジーは世界で尊敬されインドは独立を勝ち取れたのだ。

リスニング

 こちらもTOEIC500~を推奨しており、英文の大意は把握できる。だが、問題が選択式ではなく記述式なので解答するのがなかなか難しい。問題文はバラエティ豊かで、テレビコマーシャルやスポーツクラブの説明といった日常の1コマを切り取ったもの、ハワイやアテネなど観光地案内のもの、ビジネスやサザンオールスターズに関する長文記事などがあった。英文が面白いので飽きることなく進めることができるはずだ。

  こちらはTOEIC600-750向けの教材らしいのだが、前述した「究極の英語リスニング」シリーズより簡単だった(というより究極シリーズがTOEIC500レベルにしては難しい)。こちらの英文はより日常的・実際的で天気予報の問題などがあった。

 来月には英検3級の結果が届く。それと同時に僕は英検準2級を受ける予定だ。次回はさらに英語力がアップした書生をお届けしたい。