川井書生の見聞録

映画評論、旅行記、週刊「人生の記録」を中心に書いています。

ハリウッド黄金時代への鎮魂歌 ドラマ『ハリウッド』

 今週のお題「もう一度見たいドラマ」。と言うことで、2020年の自粛期間中に見たNetflix製のオリジナルドラマ『ハリウッド』について言及したいと思う。

 このドラマは第二次世界大戦後のハリウッドを舞台にしている。当時のハリウッドは黄金期であり、ジョン・フォードやアルフレッド・ヒッチコックら偉大なる監督が夢を生産し、ジョン・ウェイン、イングリッド・バーグマンなど錚々たるスターが銀幕を飾っていた時代である。その一方で、同性愛者や黒人は虐げられ、女性もまた力を持っていなかった。この映画で描かれている登場人物の多くは、常に白人男性の影に隠れた存在であったにも関わらず、自らの信念や夢のために戦ったのだ。

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ドイツ文化の子孫 映画『ばるぼら』考察・感想

 今週のお題「自分にご褒美」。と言うことで、ここ2ヶ月英語の勉強を頑張っている僕は、己のご褒美に映画『ばるぼら』を観に行った。このブログでその感想を綴ろうと思う。

 この映画は手塚治虫の漫画を原作にしており、その息子が監督をしている。そして何と言っても、『恋する惑星』などで知られるウォン・カーウェイ監督とコンビを組んでいた、クリストファー・ドイルが撮影監督を担当しているのだ。 

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映画『コンフィデンスマンJP プリンセス編』における良心

 今週のお題「最近見た映画」。と言うことで、大学生4年間で2000本近くの映画を見た僕が、最近見た『コンフィデンスマンJP プリンセス編』を脚本の観点から考察してみる。

 なぜ、脚本の観点から考察するかというと、この映画は脚本家・古沢良太のエッセンスがよく見られるからである。特に「良心」というテーマがよく表れている。

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ノーラン風「007」 映画『TENET/テネット』を解剖してみる

 今週のお題「最近見た映画」。と言うことで、大学生4年間で2000本近くの映画を見た僕が、クリストファー・ノーラン監督の『TENET』を見た感想と考察を書いてみる。

 『鬼滅の刃』のヒットは様々な先行作品から影響を受けているからと言われているが、それはクリストファー・ノーランの『TENET』にも当てはまる。物語のジャンルや構成は既存の作品からの影響を多分に受けている。だがそれに加えて、この映画はノーランのエッセンスをも含んでいるからこそ、オリジナリティに溢れているのである。今回はこの映画を3つの点から考察してみようと思う。

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煉獄杏寿郎の役割 映画『鬼滅の刃ー無限列車編ー』

 あの大大人気の映画の感想を書こうと思う。その大大人気の映画とはもちろん『鬼滅の刃ー無限列車編ー』。これは大学生の時に映画を専攻し、大学4年間で2000本近く映画を見た僕の感想と考察である。

(※もし本記事を引用・参照される場合は参考文献または注釈として記載をお願い致します。)

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